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例の「事業仕分け」のおかげなのかどうか,日本のスパコンの話がいろいろ出てるみたい。私はスパコンは専門じゃないけど,当時の「地球シミュレータ」の凄さについては多少聞きかじっているので,(blog にするまでもない内容だけど) Tumblr のほうに書いておく。
まず,世界的な流れで行くと,地球シミュレータが登場する以前からスパコンの主流はクラスタを構成するスカラー型スパコンになっていた。アメリカでは「ベクトル型スーパーコンピュータは死んだも同然」などと言われてたくらいだ。そこにベクトル型スパコンである「地球シミュレータ」が登場したのである。地球シミュレータの登場を「スプートニク・ショック以来」と評した当時のアメリカの驚きが分かるだろうか。もっともその栄光もスカラプロセッサの圧倒的な物量の前に数年を待たず敗れ去るのであるが。
もしかしたら,日本のスパコンは単純な速度競争の枠で考えるのではなく,「ベクトル vs スカラー」の構図で考えるべきかもしれない。そもそもスパコンのベンチマークによく使われる LINPACK はスカラプロセッサに有利(物量でねじ伏せやすいということ)と言われている。それに対して新型の地球シミュレータは実行効率世界一(93.38%。スパコンでこんな数値,普通ありえませんから)ということで目指すところが違ってきはじめている。
地球シミュレータを保有している海洋研究開発機構には一時,スカラプロセッサに乗り換えるかも,という話があった。地球シミュレータ登場以後も世界の主流がスカラ型であることには変わりがない。もし,日本が国家戦略としてスパコンを考えるのならば,「ベクトル型で世界一」を目指すしかない。この点については「事業仕分け」絡みで批判が見られたが,私は「世界一」を目指すべきだと思う。そうでなければ国が関与する意味がない。またスカラ型では意味がない。何故ならスカラ型スパコンの性能の差は基本的には物量の差でしかないからだ(厳密にはメモリレイテンシの問題とかいろいろあるけどね)。金とモノをぶち込めば世界一になるってのは土建屋の発想でありコンピュータ・エンジニアの発想ではない。
まっ結局はやらないみたいだけど。技術ってのは常に先を見て進む努力をしないと簡単に廃れてしまうものなんだけどねぇ。まぁ国としてそこに意義が見出せないというのなら仕方がない。
もう技術はあるんだから、マネージメントを学んだ方がいい。
マネジメントを学ぶべき,というのは全く持ってそのとおりだが,それと技術の話は次元が違う。技術はモノではなく人に付く。技術を止めるということはそれに関わる人を失うということであり,それは技術を失うことと同義。「技術ってのは常に先を見て進む努力をしないと簡単に廃れてしまう」ってのはそういう意味だ。何を残して何を捨てるかという選択を行う際に,「技術」のそういう側面を考慮しないと後で大変なことになる。「国家百年の計」とはこういうときにこそ使われるべき言葉なんだろうけど,今の世の中じゃ一年の計も危うい。



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